そして僕は寮を出た…阪神岩田将貴 豊作20年ドラフト一員の覚悟と、芽生えた変化と

38年ぶりの日本一の裏側で、プロ3年目を終えた阪神岩田将貴投手(25)は1つの覚悟を決めました。今オフに兵庫・西宮市の選手寮「虎風荘」を退寮し、人生初の1人暮らしに挑戦。苦戦しながらも、自炊や掃除など全て自分で行う日々を送っています。育成契約で入団し、22年7月に支配下選手登録を勝ち取るも、1軍登板なしに終わった1年半。退寮には1分1秒を無駄にしない決意が込められていました。

プロ野球

◆岩田将貴(いわた・まさき)1998年(平10)6月16日生まれ、福岡県出身。九産大九州ではエースとして2年春に甲子園出場。九産大在学中の19年夏にトミー・ジョン手術を受ける。同大学から20年育成ドラフト1位で阪神入団し、22年7月に支配下昇格を果たした。1軍戦登板はなし。23年シーズンはウエスタン・リーグでチーム最多44試合に登板。2勝3敗、防御率4・85。178センチ、77キロ。左投げ左打ち。

「もう終わりと思ってるから」

さわやかな笑顔を見せながらも、その目には覚悟がにじんでいた。

岩田(今年で)無理だったら、もう終わりと思ってるから。

プロ3年目を終えた今オフ、選手寮「虎風荘」を退寮した。

西純矢(左)と岩田将貴は1本の傘に入って安芸ドームへ向かう=2022年11月13日

西純矢(左)と岩田将貴は1本の傘に入って安芸ドームへ向かう=2022年11月13日

九産大九州や九産大では実家から通学していた。

1人暮らしの経験はない。

阪神では大卒選手は基本的に2年目終了後から退寮することが可能。

しかし金銭面や食事などのバックアップも考慮して3年目の昨季も寮生活を継続してきた。

オフの契約更改では現状維持の推定年俸440万円。

なぜ寮を出たのか。

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