グラブ型付けにこめた 7割仕上げの意味/少年野球連載
野球少年にとって大事な大事な宝物。グローブ=グラブについて深掘りしましょう。少年じゃなくても、グラブを触っていると楽しくなるし、拳でたたいたり、ボールをパンパンやっていると、気持ちがよくなります。57歳になる私が、少年時代になかった言葉に「グラブの型付け」があります。もちろん、捕球しやすいように型をつけていく作業は自分でしていましたが、スポーツ店の店員さんに「型付け」を依頼することはありませんでした。
今は、新品のグラブの「型付け」を有料で行ったり、型付けやアフターケアのサービスもあります。大事なグラブと長く付き合うために。グラブ仕上げブランド「REAL FOAM」の竹内佑さん(31)に聞きました。東京・浅草橋の「ATOMS TOKYO」を1人で切り盛りして「下町の鉄腕店長」の異名もある職人さんです。
このページは2025年1月3日付日刊スポーツ首都圏版とニッカンスポーツ・コムに掲載された特集とリンクして編集しています。併せてお読みください。
その他野球
◆竹内佑(たけうち・たすく)1993年(平5)11月26日生まれ、長崎県新上五島町出身。上五島高時代に野球部に所属したが、持病のためプレーを断念。駒大進学後の2013年冬から都内の野球ショップで7年間勤務。20年春に独立して「REAL FOAM」を立ち上げ。SNSのダイレクトメッセージなどを通じて依頼を受け、作業料金は1万1000
円(税込み)。独自監修ブランド「CAWS」「Take」「CORE」のグローブ、ミットを各取扱店で販売している。並行して23年春から「ATOMS TOKYO」の店長を任されている。
中高生は自分で使って100に
―「グラブ仕上げ」の仕事とは
「まず俗に言うグラブの型付けがあります。お店で購入していただいた物、自分の監修ブランド、お客さまの持ち込み依頼だったり、メーカーを通じてプロ野球選手のグローブを手掛けることもあります。あとは修理ですね。持ち込みが主ですが、大学、社会人の選手は大会など一発勝負でやっている中で、調整してください、修理してくださいって依頼が、大会直前や期間中、その直後にたくさんきます」
―さっそく、新品の型付けについてお願いします。特に部活動やクラブチームの中高生選手に対してはどういう状態にしますか
「基本的に60~70パーセントに仕上がるように目指しています。使っていただいて、100パーセントになるようにします。100パーセントまで型付けしてしまうと、そこから状態が落ちていくしかないですから。自分で使っていって、100に近くなって、そこから落ちていくイメージです」
―どれぐらい使って100パーセントになるイメージですか
「グラブにもよりますが、毎日使う選手なら1カ月ぐらいでなじませられるように」
―週末の活動しかないリトルシニアやヤングリーグの選手に対しては
「その人の状況を聞いて、型付けの具合を調整します」
―最初にお客さんと対面して聞くことは
「何で僕に型付け依頼するかを聞きます(笑い)。SNSの写真で見たか、誰かから教えてもらったのかを。SNSの人なら『グラブをこの顔にしてください』って希望があるので、そのグラブがどこまでその『顔』に寄せられるか判断しないといけないので。寄せられないなら、これは無理なので、こうした方がいいですよって擦り合わせをしていきます」
―全然合わない時は
「ランニングシューズで野球をやるなら、滑るけどなんとかできますよね。ハイヒールは絶対無理ですよね。同じようにグラブはポジションとか使い方によって、職人さんがパターンを組んで作っているんです。だったら、そのパターンに合わせませんか? などと説明します」
―特徴を教えてあげる
「購入したり、持ち込まれたグラブと要望がどれぐらいマッチングするかを判断します。さらに、実際にお客さんが使っている形を確認します。使っているグローブを持ってきていただければ確認できますし、店頭に実使用したグラブが置いてあるので、それをはめてもらって参考にしたりします。SNSで依頼を受ける場合は、グラブの写真と手にはめて握った状態の写真を送ってもらいます」
―どこを見ますか
「グローブの動かし方ですね。それと手のはめ方ですね。親指側からか小指側からか。どっちを主体にしてはめているかですね」
―それでグローブのどこが動くようにするかを決めるわけですね
「そうです。あとはグローブの握り方ですね。上級者の方はふわっとした形で動かします。どうしても力を入れて、バシッと捕る人も多いですね。同時に横ぶりか縦ぶりも確認します」
必ずひもを通し直す
―ふわっとした使い方ができるように、グラブで調整することができますか
「多少はできます。例えば手が小さくて力が入ってしまうなら、小指掛けを切ったりして、動かせるよう調整します。
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1967年生まれ、岡山県出身。1990年入社。
整理部を経て93年秋から芸能記者、98年秋から野球記者に。西武、メジャーリーグ、高校野球などを取材して、2005年に球団1年目の楽天の97敗を見届けたのを最後に芸能デスクに。
静岡支局長、文化社会部長を務め、最近は中学硬式野球の特集ページを編集している。