【舞台裏】洞察、仮説、本人直撃…ヤクルト古賀優大は、楽天村林を3カ月追い続けた
投高打低の時代を迎える中で、「打てる捕手」の片りんを示しつつあります。ヤクルト古賀優大捕手(27)は今季ここまで規定打席には未到達ながら、68試合出場の打率2割7分6厘をマーク(8月27日現在)。9年目で200打席を超えるのは初めてです。昨季までの通算打率2割から、大きく成長を遂げています。
昨季は開幕前に左膝の半月板を痛め、出場がありませんでした。今季は、なぜ打てているのでしょうか。カギは「かかと体重」。大松尚逸チーフ打撃コーチ(43)の助言と、パ・リーグで首位打者争いをしている楽天村林一輝内野手(27)を洞察して得た気づきがありました。
プロ野球
★新連載「The Backstage」
ドラマは注目シーンだけが、見どころではありません。目立たないところにも、さまざまなストーリーが詰まっています。舞台裏で、記者が見て、聞いて、思った話をお届けします。
◆古賀優大(こが・ゆうだい)1998年(平10)8月7日生まれ、福岡県出身。明徳義塾(高知)で2年夏から3季連続甲子園出場。3年夏は4番または5番捕手で計10安打を放ち、4強入り。16年ドラフト5位でヤクルト入団。18年5月2日中日戦(神宮)でプロ初出場。昨季まで通算174試合、65安打、打率2割、1本塁打、15打点。177センチ、83キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1350万円。
「すごいいい打ち方してるよ。見てみな」
ぐずついた空模様の3月11日だった。
その日は静岡・草薙球場で楽天とのオープン戦だった。古賀はベンチから戦況を見つめていると、大松チーフ打撃コーチに声をかけられた。
「すごいいい打ち方をしてるよ。あれだよ。見てみな」
視線の先には、自分と同じ右打ちの楽天村林がいた。2回無死一塁の第1打席、ヤクルト小川の高め直球を右翼方向にはじき返した。打球は右翼手のグラブに収まったが、強く捉えていた。
「懐が広いな」
自分の理想を重ねた。
当時、古賀は課題に向き合っていた。外角球に「追いかけてしまう癖」の修正に励んでいた。その改善が打力向上、その先にある正捕手奪取に欠かせないと自覚していた。
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