阪神石井大智がアキレス腱断裂からはい上がるまで 妻が語った家族の半年間

阪神石井大智投手(29)が、左アキレス腱(けん)断裂の絶望からはい上がってきた。一番近くでその背中を見つめ続けてきた妻が日刊スポーツの取材に応じ、決して美談だけではない、プロ野球選手であり1人の人間である夫の、地道で過酷な舞台裏を明かしました。今年で2歳になる長男とともにしたためた、夫への直筆メッセージも本紙に託してくれました。

プロ野球




◆石井大智(いしい・だいち)1997年(平9)7月29日生まれ、秋田市出身。秋田高専―四国IL高知を経て20年ドラフト8位で阪神入団。21年3月26日ヤクルト戦で初登板。23年5月11日ヤクルト戦で初勝利。25年に50試合連続無失点のプロ野球新記録。連続イニングも49回で球団記録更新。今季推定年俸2億円。175センチ、79キロ。右投げ右打ち。


阪神対DeNA 大歓声を浴びてマウンドへ向かう石井大智(撮影・上田博志)

阪神対DeNA 大歓声を浴びてマウンドへ向かう石井大智(撮影・上田博志)


リアルを伝えたい


事前に石井本人には、家族への取材の件を相談をさせてもらった。

「メディアの皆さんはストーリー性を持たせたいと考えると思います。でも、復帰までの過程を全部が全部“きれいな話”にする必要はないと思っているんです。ただただ、同じアキレス腱断裂で苦しんでいる人たちのために、発信したいと思っています」というニュアンスの話をしてくれた。

リハビリ期間中、アキレス腱(けん)断裂経験のある陸上部の大学生からの手紙が「同じように苦しんでいる人たちへ向けて、何か伝えられることがあるんじゃないか」という思いを強くさせた。

美談だけでなくシビアな現実も含め、負傷から復帰までのリアルを伝えることに意味がある―。

妻も夫の思いをくんでくれた。

「あのリハビリ期間があったから良かったとは、私には口が裂けても言えない。そのあたりの話もできたらと思います」という言葉は重たかった。

野球人生を左右しかねない大きな負傷。それに反して、日常は何事もなかったかのように過ぎていくという矛盾、残酷さ。野球から離れ苦しみ、一方で家族との時間を持てたということを踏まえ、妻は「これから先、こんな期間はないと思う」と振り返る。

石井にとって、石井家にとって唯一無二の半年間に迫る。

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