27歳で捨てたNHKキャスターの肩書き 平野啓子が人生を変えた語りを語る

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平野啓子(61)は、名作や名文を暗誦(しょう)する、語りの第一人者として知られる。その一方、元NHKキャスターの肩書もある。苦労して、華やかなキャスターの座をつかみながらも、語りの世界で生きていくことを自ら選んだ。継続していれば、日本を代表するキャスターになっていたかも…。なぜ、彼女はキャスター業を選択しなかったのだろうか。(敬称略)

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ニュースキャスター。日本独特の呼び名らしいが、重厚な響きをもつ。女性キャスターの草分け的存在、宮崎緑がNHK「ニュースセンター9時」のメイン席に座ったのが82年。女性初の枕ことばが付き、男性からのねたみも含めて脚光を浴びる。「フリーでもNHKに出られるんだと。宮崎さんは憧れでしたけど、私の場合は、テレビで話す仕事がしたい。ただそれだけでした」。