TBS井上貴博アナ「人生RPG理論」予定調和ではなくハプニングを楽しむ/ラジオ編

注目の人、話題のこと。もっと知りたい、もっと読みたい。その思いをかなえます。TBS井上貴博アナウンサーが語る「人生RPG理論」とは・・・。

放送

信念を貫く男だ。TBS井上貴博アナウンサー(37)。MCを務める同局系報道番組「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)に加え、同局ラジオで初の冠番組「井上貴博 土曜日の『あ』」(土曜午後1時)が今春からスタートした。現在、週6日、3時間の生放送番組を担当する日本一忙しい司会者でもある井上アナのクールで爽やかなパブリックイメージからは想像できないほど熱い内面に迫った。

◆井上貴博(いのうえ・たかひろ) 1984年(昭59)8月7日、東京都生まれ。慶大卒業後、07年TBS入社。「はなまるマーケット」のリポーター「あさチャン ! 」「白熱ライブ ビビット」で進行役などを務めた。趣味は高校野球観戦。179センチ。

番組開始3分前だった。「これ面白いね。(カメラの)切り替えもできるし」。スタッフがスマートフォンをもち、オンラインでスタジオとつなぐ形で準備を進めていたが、急きょ、井上アナ自身がスマートフォンを手持ちするスタイルに変わった。

この日のオープニングはスタジオにTBSラジオの田中ひとみキャスターを残し、井上アナが外から中継するという初の試みだ。

急な変更にも動じない。ペットボトルの水をひと口だけ飲み、本番に臨むその表情はマスク越しにだが、置かれた状況を楽しんでいるようだ。耳で田中キャスターのオープニングトークを聞きながら、内カメラと外のカメラを自在に使い分けてYouTube配信と連動したラジオの特性をふんだんに生かすオープニングとなった。

「生放送が好きです。ドタバタが好き。汚い生放送にしたい。悪意を持って誰かが壊すのは違うけど、生放送そんなにキレイにやったら収録でいいじゃんって思う」。

予定調和ではなく、ハプニングを楽しむことがテレビやラジオでは必要だと説く。「朝ズバッ!」時代、みのもんたの生放送に魅了されたという。「面白いっていうのは笑うだけじゃないと思います。ヒリヒリしている方が面白いですね。緊張が大好きですね。緊張と緩和じゃないですけど、緊張は面白いと思います」。

この日は他にもイレギュラーがあった。番組終了後、スタッフが突然、紹介しきれなかったゲストYOASOBIに関するメールについてのトークをYouTube用に撮ろうと提案。3時間の生放送を終えたばかりの井上アナは「それいいじゃん!」と、約10分の“YOASOBIトーク”を田中キャスターとともに繰り広げた。

イレギュラーなことを積極的に楽しむ姿勢は、井上アナがこれまでさまざまな場面で語ってきた「人生RPG(ロールプレーイングゲーム)理論」に通じている。身の回りで起こるあらゆることを、俯瞰(ふかん)して「ゲーム内の出来事」と楽しむ人生観だ。「RPGなので、困難な方が面白いと思いますね。オンオフの切り替えというのもあんまりないです。RPGの一環なので」とサラリ。