藤井聡太7冠「上を目指すなら応援する」塾長の言葉に5カ月“長考”の末「名人超え」

将棋の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が渡辺明名人(39)に挑戦する第81期名人戦7番勝負第5局が5月31日、6月1日に長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」で行われ、藤井が渡辺を破り、シリーズ成績を4勝1敗とし、最年少名人&7冠を達成した。20歳10カ月での名人位獲得は、谷川浩司17世名人(61)が持つ21歳2カ月の名人獲得最年少記録を40年ぶりに更新した。藤井は小学4年のとき自己紹介カードに「名人をこす」と記した。この言葉には藤井、恩師らの特別な思いがあった。3回にわたって連載する。第2回は塾長の言葉に“長考”した藤井7冠が出した返事とは。

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<連載2>

藤井荘のちょうちんの横で史上最年少7冠の「7」を表現する藤井聡太名人

藤井荘のちょうちんの横で史上最年少7冠の「7」を表現する藤井聡太名人

上を目指すなら

ずっと黙っていた。小学4年の8月、藤井は5歳の冬から通っていた愛知県瀬戸市にある「ふみもと子供将棋教室」を卒業することになった。9月からプロ棋士養成機関「奨励会」への入会が決まり、プロと同等とみなされることになり、ちまたの教室には通えなくなるからだ。

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