広告会社勤務「憲法アイドル」内山奈月「個性を持っていることが将来役に立つ」

「アイドル」の長い歴史の中で、特に2010年代からは、05年12月に誕生したAKB48を筆頭にさまざまなアイドルグループが誕生し、「アイドル戦国時代」といわれた。

光り輝くステージで、きらびやかな衣装をまとって歌い踊るだけでなく、SNSなどの興隆も相まって、グループのストーリー性、人間ドラマが、多くの人の心をとらえてきた。

一方で、数え切れないほどのアイドルが誕生したことで、近年は「セカンドキャリア」にも注目が集まっている。芸能界で夢を追い続ける者もいれば、新たな目標に向かって別の世界に進む者もいる。「人生いろいろ」。Next Stageに立つ、いまに迫っていく。(文中敬称略)

その他エンタメ

<アイドルのセカンドキャリア~内山奈月・前編~>

連載第4回に登場するAKB48の14期生だった内山奈月(27)は現在、大手広告会社でコピーライターやアクティベーションプラナーとして、さまざまな企画の制作に従事している。前編では、非選抜ながらも特技や個性をいかし、「憲法アイドル」として著書も出版したアイドル時代を振り返る。

◆内山奈月(うちやま・なつき) 1995年(平7)9月25日、神奈川県生まれ。12年5月にAKB48の14期生オーディションに合格。同7月に劇場デビュー。14年4月、慶大経済学部入学。同年7月14日に初著書「憲法主義 条文には書かれていない本質」(南野森氏と共著)を出版。選抜総選挙は第5回(13年)から圏外→63→39位。16年2月、グループを卒業。学生キャスターなどをへて、大学卒業後の18年4月から現職。血液型A。

内山奈月、AKB48での攻めの姿勢とミーハーさ生かした企画力で「おもしろい」を追求 後編はこちら>>

元AKB48で広告会社に勤務する内山奈月

元AKB48で広告会社に勤務する内山奈月

秋元先生の仕掛けすごい

今、広告業界にいるからこそ、より実感することがある。

「(13年8月に発表された峯岸)チーム4の結成の時に見開きの新聞広告が出たり、選抜総選挙の時も、全メンバー紹介みたいな企画もありましたよね? 当時はよく分かってなかったんですけど、秋元(康)先生の考えられることや、仕掛けはすごい! っていう話によくなるんです」

もともとアイドルに興味がなかった少女も、社会現象になっていたAKB48に自然と魅せられていた。

「周りにはアイドル好きの友達も結構いたんですけど、私はアイドルには正直、そんなに興味がなくて…。でも、いろいろやっているAKB48がおもしろくて。『ぷっちょ』(※1)とか『野菜シスターズ』(※2)とか『江口愛実』(※3)とか…。そういう企画がおもしろくて、どんどん好きになっていきました。じゃんけん大会で選抜を決めて、それがCDになっちゃうのもすごいなと」

高校2年生の時に、初めてオーディションを受けた。

「ドキュメンタリー映画とか、バラエティーもたくさんやってたじゃないですか? 横山由依さんが先輩の思いを背負って、バンジージャンプを飛ぶみたいな…。一生懸命夢を追いかけてる人たちがいるところで、自分も頑張ってみたいなと思ったんです。まさか受かると思っていなかったので、親も学校との両立をちゃんとすればいいよ、みたいな感じでした」

本文残り68% (2119文字/3139文字)

エンタメ

大友陽平Youhei Ohtomo

Saitama

1983年5月、埼玉県生まれ。2007年に入社。広告部、メディア戦略本部(広告担当)をへて、13年11月から芸能記者(音楽担当)に。
AKB48グループやLDHなどを担当し、AKB48公式10年史「涙は句読点」、「LDH PERFECT NEWS」などの発行も担当。
22年12月から芸能デスク。元高校球児(捕手)で、現在もOBOGチームで活動し、19年の「マスターズ甲子園」で甲子園“初出場”。もっとも趣味は、サッカー観戦(浦和レッズ)。
X、インスタグラムともに「@nikkan_ohtomo」。血液型O。