爛々「お笑いの首都は大阪や」昭和スタイルでトイレから「コテコテ女流漫才師」目指す

女流漫才師としてめきめき頭角を現しているのが「爛々(らんらん)」の2人。昨年はTHE Wの決勝まで勝ち進み、今年のNHK上方漫才コンテストでは準優勝だった。大阪生まれの萌々(もも=25)と、京都生まれの大国麗(おおくに・うらら=32)は、NSC(吉本総合芸能学院)のトイレでコンビ結成したユニークな経歴を持つ。コテコテの昭和風しゃべくり漫才は、他の追随を許さない。

お笑い

<吉本芸人インタビュー>

◆爛々(らんらん) 萌々(もも)と大国麗(おおくに・うらら)により、2017年、コンビ結成。ともにNSC(吉本総合芸能学院)39期。昨年の「女芸人No.1決定戦THE W2022」決勝に進出した。

萌々(左) 1997年(平9)11月28日、大阪市出身。高校時代から漫才コンビで活動していた。趣味は、勝負すること、負け戦の中で勝つこと、絵を描くこと、熱く語り合うこと。身長158センチ。

大国麗(右) 90年9月24日、京都市出身。芸人になる前はアパレルショップに勤務していた。店長経験あり。趣味はおしゃれ、母親と過ごすこと。身長150センチ。

ポーズをとるお笑い芸人「爛々」の萌々(左)と大国麗(撮影・藤尾明華)

ポーズをとるお笑い芸人「爛々」の萌々(左)と大国麗(撮影・藤尾明華)

お互いに解散直後

2017年春。NSC卒業まで、2カ月しかなかった。芸人としてのイロハを学び、さあこれからプロとして羽ばたくんだ! そんな大きな夢を打ち砕かれた萌々。ずっとコンビを組んでいた相方が去り、ひとりぼっちになった。

萌々 あのときは最悪の状況でした。NSCを出て、さあスタートダッシュだ、と気合を入れていた矢先に、相方に逃げられました。どうしたらいいのか、迷う間もなかった。「とにかく、誰か相方を探さないといかん」と必死でしたから。

大ショックを受けたまま、萌々はNSCのトイレに飛び込んだ。悔しくて悲しくて、大声を上げてしまった。

たまたま、その声を聞いたのが個室で用を足していた大国だった。このとき大国もコンビ解散した直後で、ひとりでフラフラしていた。個室内の大国に気づいた萌々は自然に「コンビ組もう!」と誘っていた。

大国麗 いきなりのオファーでした。NSCの卒業も近かったので、コンビ組むなら今やな、と私もすんなり受け入れました。そのとき実は“大チョメ中”だったんですが(笑い)。

同期生で女同士だから、もともと顔は知っていた。コンビ名はドロップキック、ジャックジャックなども候補になったが、爛々で決定。鋭く光り輝く、という意味が気に入った。

萌々 でも、最初は「爛」の漢字を覚えるのに苦労しました。M-1グランプリのエントリーなどでは自分で書かなければならないですし。大国さんのことは最初、同じNSCの生徒とはわからなくて。やたら愛想の良い吉本の社員の人だと信じてました。年齢も7歳上だと聞いて、またビックリです。

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