「うそみたいな本当」経験していないからこそ、目に焼き付けたい戦争の悲惨さ

8月14日放送のNHKスペシャル「アナウンサーたちの戦争」(午後10時)を前に、出演者たちの取材会が開かれた。俳優森田剛(44)橋本愛(27)安田顕(49)高良健吾(35)らによる「戦争を題材にした作品の必要性」への訴えに、心を打たれた。

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NHK「アナウンサーたちの戦争」

同番組は戦時中の日本放送協会とそのアナウンサーたちが行った電波戦、戦時中の彼らの活動を事実を元にドラマ化して、放送と戦争の知られざる関わりを描いた。日本にとって、太平洋戦争はラジオの開戦ニュースから始まり、玉音放送で終戦を迎えた。

それらの放送に関わった、天才と呼ばれた和田信賢アナウンサーを森田、新進気鋭の館野守男アナウンサーを高良が演じた。さらに、和田の妻でアナウンサーの実枝子を橋本、「電波戦士」としてマニラ放送局に派遣された和田の恩人・米良忠麿を安田が演じた。

森田は演じた役の感想を聞かれると「自分の言葉で調べて表現するところに魅力を感じて、僕の仕事にも通じる思いでいました」と話し、橋本は「今の時代よりもっと女性の立場の弱さ、社会の中での居場所が葛藤多い中で、強く生きている女性を演じることが出来た事は幸福なことでした」と振り返った。

高良は「苦しかった」とした上で戦争が題材の作品の必要性を訴えた。

「館野さんは言葉の力を信じて進んだ。そういう人物を演じたからこそ言葉の怖さを感じました。戦争を題材にした作品を届けるということは、戦争の恐ろしさを伝える作品でもあったので、その中で翻弄(ほんろう)されている館野さんを演じるのは大変でしたし、いろいろな思いがありました」

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