【全文公開】月組トップ鳳月杏インタビュー 人生で一番のギャンブル「宝塚受験」を回想
月組トップ鳳月杏が、26日から兵庫・宝塚大劇場でミュージカル「GUYS AND DOLLS」の初日を迎える。昨年の「ゴールデン・リバティ」「PHOENIX RISING」に続く本拠地2作目は、世界中で上演される名作のひとつ。宝塚でも84年に大地真央が主演した初演から何度も演じられてきた。プレッシャーは感じつつも「自分らしく演じたい」と楽しみにしている。宝塚は9月7日まで、東京宝塚劇場は10月4日~11月16日。
演劇
◆鳳月杏(ほうづき・あん) 6月20日生まれ、千葉・船橋市出身。06年入団。月組配属。花組へ移り、月組へ復帰し、歌、ダンス、芝居すべてを磨き、3拍子そろったスターに成長。24年7月、月城かなとの後任として、トップ制度固定後では最も遅咲きの19年目でトップ就任となった。身長172センチ。愛称「ちなつ」。
昨年イギリスで鑑賞、ロンドン版で親しみ
―何度も宝塚歌劇でも演じられてきた「GUYS AND DOLLS」。役作りのポイントと意気込みを
鳳月お披露目の大劇場公演もアメリカの西部劇の話で、今回もアメリカのすごく明るいミュージカル。宝塚(版)も大好きだったんですけど、昨年末にイギリスで見させていただいた。その時に、役の可能性とか作品の新しさみたいなものがすごく印象に残ったので、自分らしく、今の月組らしく演じられる自信をいただいた。新しい気持ちで臨みたい。
―代々受け継がれてきた作品の再演。演じる上で、意識していることや参考にした公演があれば
鳳月再演は皆さまもその時々の作品を愛してくださっているから、プレッシャーの部分もあるんですけれども、自分らしく自信を持って演じるということが一番と思っているので、「花の業平」の時も、もちろん所作や歌い方は、代々の先輩の映像を参考にさせていただいたりはしましたが、役作りというか、作品をどういうふうに持っていくかは自分の感覚を信じて毎回やっている。今回も楽曲がすごく難しかったりするので、歌の参考としてイギリス版を見たりとか、勉強をさせていただきますが、役作りに関しては自分らしくしたい。
―「GUYS―」への思い入れやエピソードがあれば
鳳月一番初めに宝塚の「GUYS―」を拝見したのが2002年の月組。紫吹淳さんがスカイ・マスターソンを演じていらっしゃって、すごく立ち姿や着こなしがカッコいい、男役がカッコいいという印象の作品で見ていた。今回、宝塚の男役として挑戦できることはすごくうれしいので、その時にいただいたときめきや作品の楽しさを、私と同じようにお客さまにも味わっていただければ。
―「自分らしく」「作品の新しい部分」を具体的に
鳳月音楽のアレンジが現代的になっていたり、ビート感が親しみやすくカジュアルなナンバーになっている。振り付けも斬新で、スーツですけど、ヒップホップではないですけど、見やすい印象。ロンドン版では、劇場と客席も近かったので、演者の姿も近くて親しみを感じた。舞台を見ているというより、一緒に「GUYS―」の世界に入っているような感覚が新感覚だった。やっている人たちが変に力を入れず、いろいろな国の方々がやってらっしゃったけど、ありのままの自分で役に入り込んでいるのが魅力に感じた。私もそういう風に演じられたら。
―スカイとの共通点はあるか
鳳月そうですね。共通点…難しいですね。ギャンブラーなんでね(笑い)。自分自身はどうか分からないですけど、スカイって見た目の印象と中身がすごくピュアな人だったりするんですよ、実は。そういうところが魅力だなと思うので、大切にはしています。
―月組らしくとは
鳳月個人としてはアメリカの―開拓し続ける、勢いのあるエネルギーみたいなところが共通しているなって感じていて。みんな、作品に取り組むときも普段からすごく元気ですし、笑いの絶えない組。それがいい風に舞台に出たらいいなと思っているので、みんなの勢いとか和気あいあいとした雰囲気が、このアメリカのハッピー・ミュージカルというものにつながっているかな。
「2度の組替えは大事なポイントだった」
―トップになって気持ちで変わった部分は
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