【三浦佳生&吉岡希の言葉/世界ジュニア】「楽しみは駿と一緒にWBC。大谷選手が」

フィギュアスケートの世界選手権(カナダ・カルガリー)が5日(日本時間6日)まで行われ、三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/目黒日大高)が日本男子8年ぶり6人目の金メダルに輝きました。

高橋大輔、織田信成、小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く世代の世界一。先月、史上最年少の17歳8カ月で制したシニアの4大陸選手権との2冠も達成し「チャンピオン三浦」として飛躍の22-23年シーズンを締めくくりました。

3位には、全日本ジュニア王者でジュニアグランプリ(GP)ファイナルの銅メダリスト吉岡希(19=法大)。最新7日の帰国取材も含め、新星2人の記憶に強く刻まれた大会の「言葉」をまとめました。

フィギュア

〈世界ジュニア/男子シングル三浦佳生優勝、吉岡希3位〉

男子シングルで優勝した三浦。4大陸選手権との2冠に輝いた(共同)

男子シングルで優勝した三浦。4大陸選手権との2冠に輝いた(共同)

「昨年出遅れて、悔しい思いをしたので」

三浦佳生SP国際オンライン取材より

――振り返って

三浦 いまホント、すごいホッとしていて。とにかくシニア課題より緊張しました。

――(着氷が乱れた)コンビネーション(3回転フリップ-3回転トーループ)では何が起きたか

三浦 3回転フリップで最初、空中から着氷の瞬間まではすごい、いい流れできていたんですけど、着氷して流れをつくる時に後ろにいって「ヤバい」と思って、そのまま流れに任せてトリプルトー(ループ)にいった感じですね。

――4大陸の後、構成の見直しが大変だったのでは

三浦 今年はシニアで勝負をしていて、ジュニアのプログラムは全然練習していないので。その分、ちょっとフリップ-トー(ループ)はやっていなかったので怖かったんですけど、何とか成功したので良かったと思います。

――世界ジュニア。リベンジの思いがあるはず

三浦 昨年はSPから出遅れて(20位)悔しい思いをしたので。今回はスタートが良かった分、このままいい流れで、しっかりできることを尽くして勝ちにいけたら良いなと思います。

――4大陸王者として重圧などは

三浦 4大陸でチャンピオンになっているので、多少プレッシャーというのはあるんですけど、それを、やっぱり自分で考え方を変えて「自分はチャンピオンだ!」という。「4大陸でチャンピオンになっているんだぞ」というのを、むしろ出していって。本当にオーラが出るような感じにしたいですね。

――チャンピオン三浦に期待している

三浦 チャンピオン三浦、頑張ります。

――(この取材中に)首位発進が決まった

三浦 あ、首位なんですか? やった。ジュニア構成で首位に立てると思っていなかったので。練習不足だし、3-3、とにかくヘタだし、自分のビジョンはもうSPで70点そこそこでフリー最終(組に)残れるくらいにして、頑張ってフリーで巻き上げるというのが自分のイメージしていた感じ。SPでまさか首位に立てるとは思っていなかったので。いいスタートを、いい流れをつくれたので、フリーにもっともっと活力が与えられると思うので頑張りたいですね。

――4大陸が終わってから帰国して、移動や時差などある中での調整は大変だったはず

三浦 とにかくジュニアの3-3を。あとは3回転ループを冒頭に思い切りやってしまうと、回り過ぎたり、抜くと回らな過ぎたりするので、その力感は気をつけてきました。

――チャンピオン三浦として、周りからの見る目の変化は

三浦 いえ、全然。いつも通りです。特に何も。「あ、KAOが来た!」とはなってないっぽいんで、そうなれるように、オーラ出せるように、もっともっと頑張りたいです。

SP7位からフリー2位で逆転の表彰台、3位をつかんだ吉岡希(共同)

SP7位からフリー2位で逆転の表彰台、3位をつかんだ吉岡希(共同)

田中刑事コーチから「自分のために、と」

吉岡希SP国際オンライン取材より

――シーズンベストが出た

吉岡 今日の演技は、とりあえずジャンプで練習してきたことができて良かったです。ステップとか体力がなくて踏んでいる感じがなかったんですけど、シーズンベストが出せて良かったです。

――田中刑事コーチからは

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スポーツ

木下淳Jun Kinoshita

Nagano

長野県飯田市生まれ。早大4年時にアメリカンフットボールの甲子園ボウル出場。
2004年入社。文化社会部から東北総局へ赴任し、花巻東高の大谷翔平投手や甲子園3季連続準優勝の光星学院など取材。整理部をへて13年11月からスポーツ部。
サッカー班で仙台、鹿島、東京、浦和や16年リオデジャネイロ五輪、18年W杯ロシア大会の日本代表を担当。
20年1月から五輪班。夏は東京2020大会組織委員会とフェンシング、冬は羽生結弦選手ら北京五輪のフィギュアスケートを取材。
22年4月から悲願の柔道、アメフト担当も。