【低評価を覆した男たち】岡崎慎司「泥臭さ」そのままに入団会見でボロボロスニーカー

過去もっとも、日本代表への期待感が薄かった大会ともいえた2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。なぜこの時の日本代表は、前評判を覆し16強という結果を残すことができたのか。同大会前に代表23選手を扱った連載「奇跡に挑む者たち」を復刻掲載。彼らのルーツに、ブレイクスルーを成し遂げるヒントが隠されている。FW岡崎慎司編。(2010年5月8日紙面より 所属、年齢など当時)

サッカー

<2010南アW杯 FW岡崎慎司編>

色がはげ落ちた赤色の練習着に短パン。タオルと水筒が無造作に入ったリュックサックを背負い、ネットに入ったサッカーボールを今にも穴があきそうなシューズでこづきながら、当時小6の岡崎は練習に通っていた。兵庫県内の自宅から三田駅まで自転車で20分。そこからJR福知山線に乗り込み、約20分で練習場がある宝塚に着く。練習後は途中のコンビニでおかしを買って小腹を満たし、同じ道のりを今度は「泥だらけ」の練習着で家に帰る。