【低評価を覆した男たち】15歳で父を亡くした駒野友一の自立心「支えるのは自分」

過去もっとも、日本代表への期待感が薄かった大会ともいえた2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。なぜこの時の日本代表は、前評判を覆し16強という結果を残すことができたのか。同大会前に代表23選手を扱った連載「奇跡に挑む者たち」を復刻掲載。彼らのルーツに、ブレイクスルーを成し遂げるヒントが隠されている。DF駒野友一編。(2010年5月18日紙面より 所属、年齢など当時)

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<2010南アW杯 DF駒野友一編>

あのサイレンの音が今も頭に残っている。駒野が中学3年の9月13日、いつものように朝、学校へ向かった。何げなく受けていた1時間目の授業中、学校沿いの道路を1台の救急車が通り過ぎた。「嫌な予感がしたんです」。校舎まで鳴り響かせながら、自宅方向へ向かう救急車に、なぜか落ち着かなかった。すると、教室に入ってきた先生に至急家へ向かうように言われた。予感は、的中した。