【低評価を覆した男たち】大久保嘉人は母が教えてくれた強い心でどんな孤独にも耐えた
過去もっとも、日本代表への期待感が薄かった大会ともいえた2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。なぜこの時の日本代表は、前評判を覆し16強という結果を残すことができたのか。同大会前に代表23選手を扱った連載「奇跡に挑む者たち」を復刻掲載。彼らのルーツに、ブレイクスルーを成し遂げるヒントが隠されている。FW大久保嘉人編。(2010年5月20日紙面より 所属、年齢など当時)
サッカー
<2010南アW杯 FW大久保嘉人編>
小さくなっていくフェリーを、必死で追いかけた。自転車をこぎながら、あふれ出そうになる涙をこらえる。「オトン! オカン!」。中学1年の大久保は、叫びたい思いを胸にしまい込んでじっと寂しさに耐えた。12歳で福岡の実家を出て、長崎・国見中に入学。1年前にはW杯米国大会があった。W杯にあこがれ、ただサッカーがうまくなりたかった。だから下宿生活も自分で決めた。
