【低評価を覆した男たち】楢崎正剛は父として 運命の発表直前に長男の家庭訪問に対応

過去もっとも、日本代表への期待感が薄かった大会ともいえた2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。なぜこの時の日本代表は、前評判を覆し16強という結果を残すことができたのか。同大会前に代表23選手を扱った連載「奇跡に挑む者たち」を復刻掲載。彼らのルーツに、ブレイクスルーを成し遂げるヒントが隠されている。GK楢崎正剛編。(2010年5月28日紙面より 所属、年齢など当時)

サッカー

<2010南アW杯 GK楢崎正剛編>

岡田監督が、いの一番に「楢崎」と読み上げる直前だった。W杯代表発表の10日。楢崎家に来客があった。長男大耀くんの家庭訪問。楢崎は父親として玄関に出て担任の先生にあいさつ。役目を果たしてから、テレビの前に戻って発表を見届けた。こわもての日本の正GK。私生活を明かすことはほとんどないが、日常はどこにでもいる父親だ。