【辰吉丈一郎〈ザ・自伝8〉】「うわあ、デカッ」2度見した“3階級上”シリモンコン

50歳を過ぎた今でも現役にこだわり、「職業・ボクサー」としてトレーニングを続けている辰吉丈一郎。波瀾(はらん)万丈の半生を「浪速のジョー」自らが14年に振り返りました。全10回連載の第8回。(2014年3月27日紙面より。所属、年齢など当時)

ボクシング

辰吉 1994年(平6)12月4日の薬師寺さんとの世界王座統一戦に判定で敗れたけれど、リングを下りる気持ちはなかった。「自分で決めたこと。負けたままでは家へ帰れん」の思いがボクには宿ったままやった。患った網膜?離(はくり)に関する日本ボクシングコミッション(JBC)のルールは緩和されたけど、日本国内で試合できるのは世界戦か、それに準じた試合という条件付きのものだった。