【辰吉丈一郎〈ザ・自伝6〉】「家族のためは迷惑や」負けて分かった嫁るみの言葉

50歳を過ぎた今でも現役にこだわり、「職業・ボクサー」としてトレーニングを続けている辰吉丈一郎。波瀾(はらん)万丈の半生を「浪速のジョー」自らが14年に振り返りました。全10回連載の第6回。(2014年3月25日紙面より。所属、年齢など当時)

ボクシング

辰吉 1991年(平3)9月19日に世界王座に就いて、2カ月少しで、ボクは左目の異常に気がついた。12月に入って、大阪・関西医科大学付属病院で検査を受けた。結果は「網膜裂孔」ということだった。スクリーンの役割をする網膜に裂け目が入っているのだそうだ。当然、翌年2月に予定されていた初防衛戦は中止になり、緊急入院、手術となった。