【辰吉丈一郎〈ザ・自伝5〉】出世するけん…リングで叫んだ「父ちゃん、やったで」

50歳を過ぎた今でも現役にこだわり、「職業・ボクサー」としてトレーニングを続けている辰吉丈一郎。波瀾(はらん)万丈の半生を「浪速のジョー」自らが14年に振り返りました。全10回連載の第5回。(2014年3月24日紙面より。所属、年齢など当時)

ボクシング

辰吉 6戦目で引き分けたボクは、7戦目を1991年(平3)5月19日、フィリピンの世界ランカー、レイ・パショネスとやった。結果はアウトボクシングも出来るところを見せようとしたら、10回判定までいってしまった。勝ちは勝ちだけど、見てる方は不満やったようで、その評価にボクはカチンときた。「よし、それなら徹底的にKOを意識するボクシングやったる」と思ったものだ。