【日本男子バレーの現在地】石川祐希、西田有志、高橋藍に半世紀ぶり復権の夢を抱く

1972年ミュンヘン五輪、バレーボール男子の全日本を知っているだろうか。初の金メダルから半世紀もの時が流れた。再び、夢が見たいのである。スター選手たちが、世界一になる夢を-。

バレーボール

ネーションズリーグ・ブラジル戦に感じた希望

結果と、抱いた感覚-

そこに大きな隔たりがある。

結果は0-3で強国ブラジルにストレート負け。

そこに言い訳の余地はないだろう。

勝負の世界。

ことスポーツに関しては、汗と涙にまみれた努力の過程が感動を呼ぶことが多々あっても、結果こそが重要視される。

負けは負け。

オリンピック競技であれば10年、20年、たとえ半世紀が過ぎたとしても、メダリストは称賛され、歴史にも記憶にも刻まれる。

ただ、確かな感覚が、あったのである。

世界に近づいている。

五輪のメダルはそう遠くはない。

そう思える感覚が。

それは、コートに立った選手にしか分からないものだった。

もしかすると、錯覚なのかも知れない。

これから歩む過程に、その答えはある。

2024年パリ五輪へと続く道に。

その途中に世界選手権(8月26日開幕)を控える。

あるいは、そこで答えは見えるのかも知れない。

ただ、1つ言えること。

それは、バレーボール男子の日本は、近年になく期待が持てそうだという事実。

主将でエースの石川祐希に西田有志、成長著しい高橋藍。

可能性を秘めるスター選手がそろっている。

彼らには、夢を抱いてしまう何かが、あるような気がしている。

編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。