【闘魂の実像:新日本編10】猪木心の引退マッチは88年愛弟子との一戦〈全45回〉

アントニオ猪木さんが2022年10月1日午前7時40分、心不全のため都内の自宅で亡くなった。79歳だった。日刊スポーツでは06年に行った計8時間に及ぶロングインタビューをもとに45回の連載を掲載した。そこで綴られた波瀾万丈の人生を「闘魂の実像」と題して再録する。第3章「新日本プロレス編」の第10回。(敬称略)

プロレス

〈第3章・第10回(全45回)〉

アントニオ猪木は1998年(平10)4月の東京ドーム大会で現役を引退した。しかし、引退試合はあくまで儀式にすぎなかった。実はプロレスラーとしては、その10年前に燃え尽きていた。88年(昭63)8月8日、横浜文化体育館で行われた、愛弟子藤波辰爾とのIWGPヘビー級タイトルマッチ。猪木はこの試合をプロレス人生の区切りと位置付けている。当時45歳だった。

スポーツ

田口潤Jun Taguchi

入社以来、スポーツ部では、五輪競技、相撲、サッカー、プロレス、格闘技、ボクシング、ゴルフを担当。五輪は98年長野、04年アテネ、14年ソチ、16年リオデジャネイロ大会を取材。
プロレス取材は05年で、新日本の暗黒時代だった。