【闘魂の実像〈序章〉】猪木さん生前の8時間インタビュー 語った栄光、挫折や劣等感

元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さんが2022年10月1日午前7時40分、心不全のため都内の自宅で亡くなった。79歳だった。力道山にスカウトされ1960年(昭35)に日本プロレスでジャイアント馬場とともにデビュー。72年に新日本プロレスを旗揚げ。馬場全日本との切磋琢磨で、現在のプロレス界の礎を築いた。76年にはプロボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリ(米国)と異種格闘技戦を行い、現在の総合格闘技の源流もつくった。日刊スポーツでは06年8月から11月にかけて、猪木さんのインタビューをもとに45回の連載を掲載。その波瀾万丈の人生を「闘魂の実像」と題して再録する。本章は連載を担当した記者によるプロローグ。以降、第1章ジャイアント馬場編、第2章モハメド・アリ編、第3章新日本プロレス編として掲載する。

プロレス

〈プロローグ〉

今思えば、人生で何度目かのどん底だったのだろう。インタビュー企画が持ち上がった2006年春は、猪木さんにとって雌伏の時期だった。

スポーツ

田口潤Jun Taguchi

入社以来、スポーツ部では、五輪競技、相撲、サッカー、プロレス、格闘技、ボクシング、ゴルフを担当。五輪は98年長野、04年アテネ、14年ソチ、16年リオデジャネイロ大会を取材。
プロレス取材は05年で、新日本の暗黒時代だった。