ク・ソンユン ただ札幌を愛す「軍隊にいた時も、心の中はずっとコンサだった」

北海道コンサドーレ札幌への強いクラブ愛を持つ選手がいる。韓国出身のGKク・ソンユン(28)が来季、3季ぶりに札幌に復帰する。兵役義務を終え、たくましさが増した守護神に聞いた。なぜ札幌に戻ろうと思ったのか? 答えはシンプルだった。「恩返しのため」。まっすぐに札幌へ愛をそそぐ。

サッカー

札幌に復帰するク・ソンユン

札幌に復帰するク・ソンユン

21年2月Kリーグ所属の軍隊チーム入り、9月に除隊

セレッソ大阪U-18から13年にトップチームに昇格した。ただ、ク・ソンユンのプロ生活は順調な滑り出しではなかった。

2年間で出場機会には恵まれなかった。そこで当時J2だった札幌からのオファーを受け、15年に完全移籍で加入した。

同年の開幕戦でいきなり本人も驚きのスタメンに抜てきされた。その後も主力として起用され、守護神の座を手にした。当時の感謝の思いを、ずっと持ち続ける。

「何もなかった自分を信じて手を貸し、試合に出してくれたチーム。チャンスをもらい、成長させてくれた」

だから、その恩を返したいと誓う。

16年にJ2優勝を果たしJ1昇格、18年にはクラブJ1史上最高4位に導いた。活躍によってクラブに十分貢献している。

だが、ク・ソンユンは「自分が言っている“恩返し”は、チームと一緒に戦っていつかタイトルという夢をかなえたい。何年かかかるかもしれないけど、みんなでタイトルを取ってみたいんです」と語る。悲願達成によって、恩返しを果たせると信じている。

15年から20年5月までの6シーズン札幌に所属。Kリーグ1部大邱に完全移籍後、21年2月にKリーグ所属の軍隊チーム、金泉尚武に加入した。22年9月に除隊。その後の選択肢は、札幌以外にもあった。

本文残り74% (2191文字/2959文字)

スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。