箱根優勝を追い続けた4年間 競争を「幸せ」と感じた順天堂大クインテット最後の戦い
今年の箱根駅伝で総合5位と、変わらぬ存在感を発揮した順大。オリンピアン三浦龍司に注目が集まるが、チームを支えたのは最上級生5人だった。ライバルとの競争で成長し臨んだ最後の箱根、それぞれの戦い。
陸上
4年生5人が奮起、一時シード権外から総合5位
“4年生クインテット”の競争は、最後の最後まで続いていた。
1月2日から2日間にわたって行われた第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)。
順天堂大(順大)は5区スタート時点で11位に順位を落としながら、最終的に総合5位に滑り込んだ。出走した4年生5人がいずれも区間1桁台で走ったことが、最大の要因だった。
出場した順大4年生5人と区間順位
1区 野村 優作(田辺工業)区間6位
3区 伊豫田達弥(舟 入)区間7位
5区 四釜 峻佑(山形中央)区間2位
8区 平 駿介(白 石)区間3位
10区 西澤 侑真(浜松日体)区間1位
ゴール地点の東京・大手町。10区で区間賞を獲得した西澤侑真主将(4年=浜松日体)は静かに言った。
「1年生の時から、この学年はお互いへのライバル意識がありました。学年を重ねるごとに、それが結果として表れたのはよかったです」
お互いへのライバル意識-。4年間の日々を凝縮した言葉が、すっとこぼれた。
西澤らが入学した19年当時の順大は、優勝争いへ食い込むほどの力はなかった。同年度の箱根駅伝では総合14位となり、シード陥落の屈辱も味わった。
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