ボートレーサーになりたかった寺地拳四朗 今、目指すは井上尚弥と同じ「最強」の証明
ただ「お金持ちになりたかった」ボクサーが、1つの敗戦で生まれ変わった。WBAスーパー、WBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗(31=BMB)が、バンタム級で世界4団体を制した“モンスター”井上尚弥(大橋)に続く。次戦は今春に予定されるが、最大目標をライトフライ級の世界4団体統一に絞った。元WBA世界同級王者具志堅用高氏の連続防衛日本記録13回超えを目指したがならなかった。引退を考えたどん底からはい上がった拳四朗の軌跡に迫った。
ボクシング
昨年11月、京口とのLフライ頂上決戦制す
「ベビーフェイス」の裏に隠れたどう猛な素顔があらわになった。22年11月1日のさいたまスーパーアリーナ、メインイベント。「ライトフライ級の頂上決戦」と銘打たれた王座統一戦でWBC王者寺地はWBAスーパー王者の京口紘人(ワタナベ)を開始のゴングから荒々しく攻めた。
鋭いステップによる出入りで主導権を掌握し、5回にワンツーでダウンを奪った。一気に勝負を決めにいったところで京口も猛烈な逆襲に転ずる。会場を興奮に陥れた名勝負は7回2分36秒、寺地が「北斗百裂拳」ばりの猛連打でTKO勝ち。決着をつけた。試合後は「あざーっす! フーッ!!」と張り詰めていた思いを声にしてはき出した。
勝つのが当たり前だった。8連続防衛中は、ただ「具志堅超え」に向けて試合と勝利を重ねていた。試合前の緊張感は薄く、勝っても淡々。「今思えば、それほどモチベーションもなかった」と拳四朗。父の永会長(58)は「簡単に勝ってきた試合が多かった。試合前も常にニコニコ。余裕というより、真剣味が感じられなかった」と振り返る。
安定王者となっても、メインイベントは張れない。人気面もはじけない。そんな状況に拳四朗はゆったりつかっていた。ボクシングへの執着心がない。そんな出発点が影響していた。
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長崎生まれ、尼崎育ちで九州とお笑いを愛する。
関大を卒業後、90年に入社。約2年の四国勤務でいろいろ学び、大阪に戻って主に大相撲、ボクシングを担当。
その後、担当記者として星野阪神の優勝に立ち会えて感動。福岡勤務などをへて相撲、ボクシング担当に舞い戻る。
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