【力士の素顔】ミステリアス遠藤が珍しく多くを語った初土俵10年の今

大相撲の前頭遠藤(32=追手風)が、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)で、初土俵から丸10年の節目を迎える。日大での4年間で11ものタイトルを獲得し、幕下10枚目格付け出しでデビュー。所要2場所で新十両、同3場所で新入幕に昇進してからは、1場所だけ十両に陥落した以外、常に幕内の土俵を務めてきた。長く食品メーカー永谷園のCMキャラクターを務め、世間にも広く顔が知られていながら、素顔はミステリアス。取材に応じる機会が極めて少ないためだ。そんなスター街道を歩んできた遠藤が、珍しく多くを語った。貴重なコメントを紹介する。

大相撲

初場所12日目、一山本(左)を土俵際へ攻め込む遠藤。初場所は9勝6敗とし、5場所ぶりに勝ち越した

初場所12日目、一山本(左)を土俵際へ攻め込む遠藤。初場所は9勝6敗とし、5場所ぶりに勝ち越した

「考えれば考えるほど、下手になったなと」

舞台は2月3日、千葉・成田山新勝寺だった。

約3年ぶりにコロナ禍以前と同等の規模で開催された節分会に、遠藤は相撲界からは高安、御嶽海の両大関経験者とともに招かれていた。

その際に、集まったテレビ、新聞の数社の記者に対して、終始冷静な口ぶりで話した。

――春場所でデビュー10年

遠藤 「3月で丸10年。そんなに、やっているのかという感じ。もう10年たったのか、と」

――相撲を通じて学んだことは

遠藤 「相撲界に入ってから、相撲に対する姿勢は変わらず、です。年を重ねても、その気持ちは変わっていません」

――ベテランの域に達した

遠藤 「若いからとか、年を重ねたからという実感、体感があまりない。自分の中で、比較がないんです。そのことはなんともいえない。その時、その時で、やれているのかなと思います」

――今後の目標

遠藤 「もちろん、番付を1つでも、2つでも上げることです。あとは相撲に限らず、うまくやっていきたいです」

――相撲に限らずとは

遠藤 「私生活もそう。例えば階段の上り下りを、もうちょっとうまくできないかな、とか。例えばですよ」

――大相撲で10年。大事にしてきた言葉、思いは

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