【札幌レター〈43〉】担当記者・保坂果那が見て感じた2023年の北海道コンサドーレ札幌

北海道コンサドーレ札幌を担当して6シーズン目が終わった。正直に言う。担当記者として、今季は最も取材に苦労したシーズンだった。コロナ禍での限られた取材環境と違って、直接話を聞けるありがたさはあった。楽しいこともたくさんあった。選手はいつも取材に協力的で、大変助けてもらった。だが時々、日頃取材しているから気になるクラブやチームの違和感もあった。2023年を振り返る。

サッカー

不安なスタート

1月11日の沖縄キャンプ練習初日、ランニングする札幌の選手たち

1月11日の沖縄キャンプ練習初日、ランニングする札幌の選手たち

2月の開幕直前。チームには、いよいよシーズンが始まるというワクワク感はなかった。開幕前最後の練習試合後、MF金子拓郎は「危機感は100%。こんな試合をしていたら間違いなく残留争いになると思う」と厳しい表情で言っていた。選手だけの青空ミーティングで、おのおのの思いをぶつけていた。仕上がりが順調ではないことが伝わった。

開幕戦前日、ペトロビッチ監督は「なかなか思うように自分たちが計画してきたキャンプのメニューを消化しきれなかった」と言い切った。就任初年度の18年1月に沖縄キャンプの総括として「キャンプで良い準備ができなかったと言う監督はシーズンが始まる前にクビになってるよ」と、ちゃめっ気たっぷりに話していた姿を思い出してしまった。

移籍した選手やケガによって離脱している選手の名前を挙げながら「昨年から1歩下げた状況でスタートしないといけない」。新戦力がミシャサッカーになじむには時間がかかるのは事実。それでも期待感を抱かせて欲しいと願ったが、そうはさせてもらえなかった。実情なのだろう。とても今季の目標をあらためて宣言してもらう空気でもなく、不安感だけが漂った。それが今季のスタートだった。

指揮官の嘆き

8月12日の鳥栖戦後、シーズン移行意見交換会で説明をする札幌三上GM

8月12日の鳥栖戦後、シーズン移行意見交換会で説明をする札幌三上GM

札幌から去った選手の名前を、今季も指揮官の口から何度も聞いた。10月28日横浜FC戦後の会見で「たらればだが、今季鈴木武蔵、アンデルソン・ロペス、チャナティップ、進藤亮佑、高嶺朋樹、金子拓郎が残っていたら、今日のゲームは優勝争いになっていたかもしれない」とコメント。いつも登場する顔ぶれだ。過去に他クラブに引き抜かれた主力たち。その苦労も、嘆きたい気持ちもわかる。我々の理解が足りないと感じているのだろう。だが、私だけかもしれないが、このコメントを聞くと悲しい気持ちになる。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。