【札幌レター〈65〉】田中克幸「ネガティブ要素は全くない」信じて選んだ道の先へ
北海道コンサドーレ札幌の大卒ルーキー、MF田中克幸(22)は今、どんなことを感じながらプロ1年目を過ごしているのか。スケートボード好きだった岡山の中学生は帝京長岡、明大と、自分を信じて選んだ道を突き進んできた。後悔はない。現在残留争い中のチームを救ってみせる。
サッカー
◆田中克幸(たなか・かつゆき)2002年(平14)3月15日、岡山県真庭市生まれ。5歳でサッカーを始める。岡山・久世中から新潟・帝京長岡高に進学し、3年時の19年全国高校選手権ベスト4。明大では1、3年時に関東リーグ優勝、4年時に全日本大学選手権優勝。24年に札幌入りし、同年2月24日の開幕福岡戦でプロデビュー。J1通算8試合、ルヴァン杯3試合出場。U-17、18日本代表。175センチ、70キロ。利き足は左。背番号は37。好きな食べ物はウニ。
「逆に本当に楽しい」
田中克のサッカー人生は順風満帆に見える。帝京長岡では3年時の全国高校選手権準決勝青森山田戦で、ドリブル突破から左足でゴールを決めて鮮烈な印象を残した。名門明大では1年からメンバー入り。4年時に全日本大学選手権(インカレ)で有終の美を飾った。現在、J1札幌ではチームが結果に苦しんでいる。ルーキーは率直に今、どう感じているのか聞いた。
「勝っていたら気づけないことも多くある。大学時代は関東でも絶対優勝するだろうってチームにずっといて、負けられないプレッシャーがあった。勝つのが当たり前ってチームにいたので、こういう場にいたことがなかった。いい経験になっているし、それがプロのJ1で、日本のトップレベルで経験できているというのは、ものすごく自分にとっても大きな経験になっている。それをプラスに捉えて、ここから自分が変えられたり、この状況を乗り越えられたら、今後の人生にとってもものすごくプラスになる。ネガティブ要素は全くない。逆に本当に楽しい。この状況を楽しむくらいじゃないとダメだと思うので」
2月24日福岡との開幕戦で途中出場し、プロデビューした。リーグ戦は通算8試合に出場。まだ先発の経験はない。現在の立ち位置について、冷静に分析する。
「最初は慣れない中で難しさも感じた。でも大学で積み上げてきたことは間違いなかったと思うし、スピード感や技術、攻撃のところはすごく通用する部分もある。新しくチームに入ることで人それぞれの特徴をつかむことに少し時間がかかってしまったけど、最近はそういうところを理解しつつ、チームをどう動かすかってところに意識しながらゲームに入ったりする中で、徐々に特徴をうまくだしつつある。あとは課題の守備のところは今後も継続して向き合っていかないといけないと思うし、そこができればより長い時間ピッチに立てると思う」
「フットサルとサッカーどっちもしたい」
岡山県真庭市の久世中時代は「サッカーよりスケボーの方が好きだった」。地元で流行したことから1年の冬から夢中になり、ジャンプして板を1回転させて乗る「キックフリップ」など技も習得した。ダーツにもはまり、自宅にボードを設置して練習。バーで開催された大会に大人に交じって中学生で唯一出場し、入賞するほどの腕前に上達した。どんなことでも負けず嫌いな性格だった。
「サッカーは地元ではうまかったけど、日本代表とかプロとかになりたかったけど、本当になれるかって現実を見た時に無理だろうなと思っていたので。サッカー以外の時間の方が好きだった」
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北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。