【吹奏楽の世界】箕面自由3年連続金〈2〉心を震わせる旋律~何千回もの練習の成果

全日本マーチングコンテストの高校以上の部(11月17日、大阪城ホール)で、箕面自由学園(大阪)の演奏は見る者の心をつかんだ。優雅なドラムメジャーの姿、広い会場に響き渡ったソロの旋律。個性豊かなチームが披露した演奏を描きます。(連載の第2話、写真は学校提供)

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箕面自由学園吹奏楽部連載〈2〉

緊張で心が震えたソロ~
シャンソンメドレー枯葉

今まで、数え切れないほど吹いてきた曲だ。

何百回、いや、何千回もやってきた。

きっと、体に染みこんでいるはずだ。

彼女は自分に、そう言い聞かせた。

「直前になって音が震えていました。でも、頭が真っ白になっても、この2年間はたくさん練習をしてきました。どんなに緊張しても、自然と体が動いてくれるはずなんだって。そこまでやってきましたから」

ちょうど2曲目の中間で、隊列が銀杏(いちょう)をかたどる。

そして、オーボエのソロが会場にこだまする。

スポットライトがあたる1つの見せ場でもあった。

中央にいる1人の少女。

彼女の心は、緊張で震えていた。

やるしかない。

この瞬間のために、多くの時間をかけてきたんだ。

視線を上げる。

その旋律は、見る人の心をも震わせた。

それは、染み入るように響く音色だった。

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益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。