20歳高井幸大、A代表デビュー躍進年 五輪で刺激受けた年下がいた/取材ノート5

連載企画「取材ノートから」の第5回は、サッカーです。今夏、大岩剛監督(52)が率いてパリ五輪(オリンピック)を戦ったU-23(23歳以下)日本代表「大岩ジャパン」を振り返ります。

若きサムライたちは、最大3枠を活用できる年齢制限のないオーバーエージ(OA)枠を使わなかった大会では史上初となる1次リーグ突破を果たすなど、躍進しました。

大会後、森保一監督(56)率いるA代表に定着したDF高井幸大(20=川崎フロンターレ)が、敗退した準々決勝スペイン戦を終えたリヨン(フランス)で見せた意外な素顔にクローズアップします。

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「もっともっと成長しなきゃ」

パリで忘れられない瞬間がある。8月2日。スタッド・ド・リヨン。スペインに0-3で敗れた日本の面々が、次々と取材エリアに現れた。

普段は、報道陣の前では感情をほとんど表さない最年少20歳の高井は、目を潤ませ、呼吸を大きくしながら応対していた。

「最後のクオリティーの差を感じたというか、実力で負けたかなと…。本当に少し見せつけられた試合というか、もっともっと成長しなきゃいけないなって…」

絞り出すように、そう語った。

これまでも、それからも高井の取材対応は淡々としている。下を見つめながら「はい、そうですね」「そうだと思います」「良かったです」と短く返ってくることが多い。

5月に行われた、パリ五輪の出場権を懸けて戦ったU-23(23歳以下)アジア杯カタール大会で優勝した直後も、感想を求められると「うれしいです」の一言だけだった。

劇的な勝ち方を収め、誰もが興奮を最高潮に高めていたが、それでもなお貫いた姿が「高井流」でもあった。

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