PK戦は運か実力か 元帝京監督・古沼貞雄氏が明かした常勝の極意
24年度の全国高校サッカー選手権決勝は、決勝史上最長の10人目まで回るPK戦の末、前橋育英(群馬)が流通経大柏(千葉)を下し頂点に立ちました。究極の緊張感の中、蹴った選手は今後のサッカー人生で大きな経験になるでしょう。W杯を含め、一発勝負のトーナメントでは、PKはつきもの。日本はW杯で過去2回、PK戦を経験していますが、成功した選手は全員、高体連(高校サッカー)出身選手です。これは偶然なのか? 果たしてPKは運なのか? 帝京高を率い、現在は矢板中央のアドバイザーとしてPK戦で高い勝率を誇る古沼貞雄氏(85)にPKの極意、考え方を聞きました。
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高い勝率、その秘密は
帝京の指揮官として、古沼氏は、全国の舞台で高確率でPKを制してきた。全国高校選手権の舞台で14度のPK戦を経験し、11勝3敗。
06年から栃木・矢板中央高でアドバイザーを務めており、アドバイザー就任以降の矢板中央は全国で7回のPK戦を経験し6勝1敗。全国切符をかけた栃木県予選決勝では、5度のPK戦で5戦5勝。勝率100%なのだ。
矢板中央の高橋健二監督は言う。
「古沼先生が来る前は、うちはPK戦は8割~9割の確率で負けてましたが、古沼先生が来てから、8割~9割勝てるようになったんです。県予選の決勝PKは究極の緊張の中で行いますが、その中でも負けていない。古沼先生は常に、PKは運ではない、大事な戦術の1つだとおっしゃっています」。
練習では、古沼流のPKに臨むマインドを取り入れ、試合でPK戦になると、高橋監督がキッカーと順番を決め「あとは古沼先生、お願いします」と円陣の声掛けを依頼する。
古沼氏のアドバイスは「これだけ練習してきたのだから、思い切って蹴ってこい」と短いものだ。その短い言葉が、選手を後押ししているという。
今年も、新チームのイレブンに、古沼氏は「今からPKの練習は積んでおきなさい。PK戦になったら勝った、と思えるぐらいに練習しなさい」と言い聞かせていた。
ここまでの高い勝率は、単なる偶然とは思えない。その秘密を探るべく、古沼氏のもとを訪ねた。
古沼氏は言う。
「近代サッカーではね、高校サッカーはもちろんワールドカップまで、みなPKがある。ルールで決まっている。日本が世界でもって唯一優勝したなでしこ(ジャパン)だってPK合戦での優勝です。試合中のPKも含め、PKは戦術の1つとしてやらないといけない。PKなんか、と考えるのはダメです」。
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