【無料会員記事ラグビー】リーグワンの思惑と新たな登録に翻弄(ほんろう)される選手
日本ラグビーの行く先はいかに―。リーグワンは26―27年シーズンから選手登録の新カテゴリーを導入します。従来の「カテゴリーA」を細分化。主に日本人選手の「A―1」と、4年以上日本で活動する外国出身選手の「A―2」に区分します。日本国籍を持つ外国出身選手であっても出場機会を制限される内容で、5月の発表後には賛否両論が巻き起こりました。当該選手、特例を受ける選手、そしてリーグワンの思惑は―。関係者の声に迫りました。
ラグビー
リーチ・マイケルの思い
2025年6月2日、都内ホテルのある一室に「リーグワンアワード」を終えた選手たちが集まった。
ベスト15に選ばれたワーナー・ディアンズ(23、東芝ブレイブルーパス東京=BL東京)と、ディラン・ライリー(28、埼玉パナソニックワイルドナイツ=埼玉)、準優勝チーム代表のマキシ・ファウルア(28、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ=東京ベイ)ら24―25年のリーグを支えた外国出身選手たちが集結。
それぞれが1年を振り返り、悔しさをあらわにし、受賞を喜んでいた。
そこにスーツ姿のリーチ・マイケル(36=BL東京)がゆっくりと登場。白い壁に囲まれた部屋を直進し、入り口から見て正面の席にどしっと腰を下ろした。机を挟んでの取材が始まった。
前日の東京ベイとの決勝戦は18―13で勝利。一夜明けて「やっと連覇した実感が湧いてきた」とほっとした。初優勝した前年と同様、東京・府中市で飲み明かしたか問われると「テレビ出演が終わったのが午前1時。(店に)着いた時にはみんなでき上がっていた。顔を出してすぐに帰った」。笑顔で、話が弾んだ。
約20分の取材の終盤、話題が変わると一転。真剣な表情になった。
「日本ラグビーをずっと支えてきた日本代表の選手について考えましょう。一番ベストな方法でしましょう」
26―27年からの、新カテゴリー問題について提言した。
自身はニュージーランドで生まれ、父はニュージーランド人、母はフィジー人。04年に15歳で来日し、13年に日本国籍を取得した「日本人」だ。ただ、自らと同じ外国出身選手が不利益を被ることに、口を開いた。
発端は突然の衝撃発表
事の発端は、2週前の5月13日。リーグ最終節を終え、週末にはプレーオフ準々決勝を控えた火曜日だった。リーグワンは、日本ラグビーに長年貢献してきた外国出身選手を“降格”させ、出場機会を制限することを突然、発表。大きな衝撃が走った。
従来の制度をおさらいする。
《22年のリーグ創設以降、選手は「A」「B」「C」の3カテゴリーに区分されてきた。
・「A」には日本人に加え、一部の外国出身選手も含まれた。他国代表歴がなく、日本協会に48カ月以上選手登録していることが条件。日本人のリーチはもちろん、ニュージーランド出身のディアンズ、オーストラリア国籍のライリーらも「A」扱いとされた
・「B」は48カ月未満の選手
・「C」は海外代表歴などのある選手
日本滞在歴の短い選手は、出場機会の制限を受ける。
一方で、日本に長く住み、ラグビーに携わった実績があれば、制限は解除。日本国籍を取得せずとも、日本人と同等の“最上位”の権利を与えられていた。
しかし、2年後からは「A」を細分化。日本人選手が主となる「A―1」は制約なし。日本で教育を受け、ルーツのある選手は優遇される。一方で、義務教育後に留学等で来日した外国出身選手は「A―2」となり、「B」「C」と同様に出場機会にリミットが設けられた。
従来は日本人と同じ待遇だったはずが、たとえ長年日本でプレーしていても“外国籍”と同じくくり変更された。
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