競技規則一部改正から約1カ月。注目の先頭員に対する早期追い抜き以外でも車券に絡む改正があった。

1つは誘導速度のアップ。JKAによると諸条件でばらつきはあるが、400バンク5周で1周目が1秒、2~4周目が2秒、ミッドナイトは1~3周で1秒、従来より速いのが基本という。スタートけん制には効果十分のようだが、ある自力選手は「前を押さえるにも足を使うし、押さえて緩めるとカマされる。息を入れるところがない」とこぼす。一方で「これなら戦えるかな」と前向きな自力選手もいる。総合すると地足型で長くスピードを維持できる選手に有利なようだ。

もう1つは暴走に対する失格基準の厳格化と新重注基準。いわゆる「番手まくり」にかかわる部分だ。従来は「通常より相当早くスパート」、先頭から「6秒程度の遅れ」とあいまいだった点を「打鐘開始前よりスパート」し「5秒以上」遅れたら失格と限定。加えて番手選手が最終ホーム以降、前から2車身程度離れ、速やかに解消しなければ重注となる。「車間も考えて走らないと」とは、改正後に番手を走った自力選手。一見すると番手まくりは難しく感じる。

だが、ベテランのマーク選手は「よほどのことがないと、前から2車身も空けないよ」とも。規則でスパート後の距離が短くなり、どの走路でも800メートル前後。S級どころかA級でも5秒以上の大敗は考えにくい。作戦としての番手まくりは、むしろ決まりやすくなりそうだ。