G3の勝ち上がりが変わって1年。売り上げは前年比96・2%とジリ貧だった。個人的に気になったのは2日目。本年度4月以降の開催で、初日が木曜(決勝が日曜)で4日間開催のG3は14回あり、半数以上の8回は初日より2日目の売り上げが下がっている。昨年同期間では14回中4回だっただけに、少々深刻だ。

G3の取材中に2日目2次予選Aのレース後、G1戦線で活躍するある選手が言っていた。「ルールだから従うけど、この勝ち上がりは車券を買っているファンに失礼だよね」。今の車券は3着までを当てる3連単が主流。だが、2予Aの勝ち上がりは5着権利で、6着も1人準決に進める。心のどこかに“5着までで大丈夫”という気持ちがあっても不思議ではない。圧倒的な人気を背負って4、5着に敗れながらも、準決には進むシーンも散見される。選手間でも「2予A、Bともファンは車券を買いづらいと思うし、選手も走りづらいと思う」という声もある。そんな車券を買わされるファンはたまらない。

一方、ミッドナイト開催は好調を持続。主流の7車立て7個レースでは、チャレンジ戦はオール予選で、3着以内がそのまま準決進出。3連単車券に貢献した3人が勝ち上がる単純明快さだ。1、2班戦も初日特選以外は、3着に入らないと勝ち上がれない。ガールズ開催のチャレンジ戦(4着+5着1人)を除けば、勝ち上がりと車券が直結する“ガチ感”がある。

競輪は車券あってこそ。売り上げ不振を打開する鍵は、そんな“ガチ感”かもしれない。