取材する現場は、新型コロナウイルス感染拡大予防のために取材規制が厳しくなり、鬱々(うつうつ)とした日々が続く。そんな中で4月3日、デビュー初優勝を丸亀で決めた川原祐明(25=香川)の笑顔に癒やされた。水神祭で海に投げ込まれ、ずぶぬれになり顔をくしゃくしゃにして「地元で決められてうれしいです」と話す姿にこちらの目が潤んでしまった。

川原祐明
川原祐明

勝った内容が良かった。5コースから自ら仕掛けて、イン先マイの君島秀三、2コースから差した烏野賢太の間に割り込んで首位争いに参戦。2Mで先に回る烏野を退けると、2周1Mでは全速戦で君島を沈める逆転劇。在校時代は下位の成績だったが「亀のようにこつこつとやってきた」努力が実り、トップルーキーまではい上がってきた。レーサー人生を象徴するような勝利だった。電話で祝福の言葉を伝えると「一から勝負の厳しさを教えてくれた師匠(重成一人)に感謝したい」と声を弾ませた。

川原は今日6日から、平山智加、平高奈菜ら女子強豪がそろった地元の「レディースVSルーキーズバトル」に参戦。レースを前に「生で見てもらえないのは寂しいけど、画面を通して最後まで諦めない戦いをお見せします。超えられない試練はないと信じてます」とファンに向けてメッセージを発信した。逆境に強い男として、一段とたくましい走りを見せてくれそうだ。