峰竜太の優勝で幕を閉じた若松SGオールスターは、話題満載だった。重圧から解放され泣く峰の純粋さも印象的だったし、深谷知博と鎌倉涼が夫婦そろって出場したことも歴史に残る出来事だろう。

記者が最も感心したのは、佐藤翼が勝負強さを発揮して優出2着に入ったことだ。出場したSG4大会で3度の予選突破、2度の優出を果たした。大舞台でも動じない精神力を養えたのは、努力を積み重ねてきたから。

佐藤翼(21年5月撮影)
佐藤翼(21年5月撮影)

自宅でも、プロペラの研究やレースの反省を忘れない日々を送る。夫人の土屋南は、5月1日に第1子となる男児を出産したばかり。子育てしながら、夫の活躍に胸を躍らせていた。「ずっとそばで努力を見てきたから、そこまでは驚きませんでした。ただ、SGは他の選手もすごい。そこで結果を出せるのはすごく尊敬します」とますます夫にぞっこんだ。

土屋南
土屋南

昨年10月の大村ダービーでは、結婚を発表したばかりだった。その時には「翼さんの好きな唐揚げを作って待っています」と話していたが、今回は「ハンバーグを作っておきます」と言っていた。家ではイクメンで勉強熱心。そんな夫に土屋も子育てしながら、刺激を受けていた。

「今年の11月をめどに私も復帰したいと思っています。深谷(知博)さんと鎌倉(涼)さんみたいに夫婦でSGに出るのはあこがれますね」。ハードルは高いが、その思いが現実になるような気がしてならない。