競輪場が変わる! 従来のイメージでは、気軽に足を踏み入れづらい施設というレッテルを貼られている。周囲をスタンドに囲まれた構造が、閉鎖的な雰囲気を作り出しているのも一因だろう。

発端となったのは、佐賀・武雄競輪場だ。16年のリニューアルオープンの際に、道路側に面したスタンドを撤去。敷地外からでもバンクの雰囲気が見えるレイアウトになった。入り口の横にはBMXのコースや遊具施設を併設し、市民と競輪場との“距離”を縮めることに成功した。

武雄競輪場(2017年9月17日撮影)
武雄競輪場(2017年9月17日撮影)

今年3月にリニューアルした岡山・玉野競輪場は、全国で初めて場内にホテルを併設。開催中はもちろん、非開催日でも楽しめる観光スポットとして、新境地を見いだしている。

この流れは、他の競輪場にも波及している。広島競輪場は、競輪場としての機能だけではなく、サイクルスポーツ施設が融合する「アーバンサイクルパークス広島」へと生まれ変わる計画を発表した。25年4月のオープンが待ち遠しい。

長崎・佐世保競輪も、25年に全面改修される。ケイリンパークと称して、開放的な空間を創出する。場内には、子供も気軽に自転車を楽しめるミニバンクを設置するプランもある。

ネット販売が好調で車券の売り上げは増加しているが、競輪場に足を運んでもらうには、ハード面の改修はこれ以上ない契機になる。1人でも多くの人に、画面越しでは味わえない臨場感を感じてほしい。