123期に異色の新人がいる。競輪界には珍しい高学歴の池辺聖(28=神奈川)だ。今どき、学歴で人物を判断する時代ではないのは分かっているが、名門麻布学園を経て慶大法学部政治学科卒と聞けば、ただ者ではない。「なぜ競輪選手の道を選んだのか」が知りたくなった。

異色の高学歴ルーキー・池辺聖
異色の高学歴ルーキー・池辺聖

「大学卒業後は人とは違うことがしたくてインドのITコンサルタントの企業に就職したんです。日本勤務でしたが、コロナ禍のためリモート勤務が多くなり2年で退職しました」。問題はその後だった。大学時代に自転車部に所属していた経験から競輪転向を思い立った。退職後の21年4月から練習を始めて10月の1次試験に一発合格。短期間で選手への道を切り開いた。学生時代に117期の青野将大や119期の新村穣と知り合いだったことも背中を後押しした。

デビューは5月5日の四日市ルーキー戦で、見事にまくりで勝利した。だが、浮かれることはなく「持久力はあってもスピードがない。7月に本格デビューしてからは展開を作る力も必要になる」と自身の今後を冷静に見つめる。

これまで、練習で自らを厳しく追い込んで強くなった選手を多く見てきた。池辺には計画的な練習ができる素養がある。今後も強くなっていく過程をしっかりと取材したい。