飯塚の新たなエースが誕生間近だ。

中村杏亮(27=飯塚)は33期で伸び盛りの期待株。4月に山陽オートの令和グランドチャンピオンカップでG1初制覇。続く地元SGオールスターは6走中4勝の活躍。準決勝戦でのフライングさえなければ、と思わせるほど、スター選手が相手でも通用する実力を示した。

中村杏亮(2023年4月26日撮影)
中村杏亮(2023年4月26日撮影)

活躍の要因について「場数を踏むことができたこと、スタートで枠なりに出られるようになったことでしょうね」と分析。22年8月の飯塚ダイヤモンドレース(7着)、11月の飯塚記念(2着)でG1優出、今年2月は浜松全日本選抜でSG優出(5着)。タイトルまであと1歩と悔しい経験を何度もし、レース運びを磨いてきた。

他を圧倒するパワーも魅力だ。競走車を点検するため、代わりに出した新車も連続優出中で抜群の動き。「いい時は電気で合わせてます。キャブ調整だと大きく変わり過ぎるので、1年くらいこの調整をしています」。調整力をつかみ、安定感の高さにつながった。

次のSGは8月伊勢崎のオートレースグランプリ。「そこに向けて本体を分解点検したり、準備していきます」。飯塚では、荒尾聡(27期)以降の若手からSG覇者が出ていない。タイトル奪取の期待がかかる。

◆中村杏亮(なかむら・きょうすけ)1995年(平7)10月24日、福岡県生まれ。33期生として、17年8月飯塚一般戦でデビューした。G1優勝は1度、G2優勝は2度。165センチ、53キロ。血液型B。