女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は計盛光(24=大阪)を紹介する。アーティスティックスイミング(当時シンクロナイズドスイミング)の日本代表として13年世界水泳バルセロナ大会でソロ4位に輝いた実績の持ち主。水の中から水上に戦いの場を変えて、将来のトップ選手を目指す。

世界水泳4位の実績を背にボートレーサーに転身した計盛光
世界水泳4位の実績を背にボートレーサーに転身した計盛光

 -まずは水泳から始められたのですか?

 計盛 アーティスティックスイミングからですね。あまり覚えていないのですが、テレビ中継を鑑賞している時に自分もやってみたいと思いました。

 -地元の名門校(四天王寺高)に通われていたんですね

 計盛 学力ではなくスポーツ推薦で入学しました。

 -アーティスティックスイミング時代の最高成績は

 計盛 世界水泳で4位ですね。井村コーチはすごく優しい方でした。なかなかレギュラーにはなれないこともありました。自分の身長(157センチ)では小さい方。165センチ以上の選手がレギュラーになることが多かったです。それで、逆に自分の身長を生かせるボートレーサーを目指そうと思いました。

シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)日本代表として世界の大舞台で活躍
シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)日本代表として世界の大舞台で活躍

 -きっかけは?

 計盛 大学に通っている途中でアーティスティックスイミングを辞めました。住之江ボートの近くのバイク用品店でアルバイトをしていたんです。

 -エンジンをいじったりすることに抵抗がなかったんですね

 計盛 機械に詳しくはなかったですよ。住之江ボートへ観戦に訪れた時に富樫(麗加)さんが出走していて、その影響ですね。

 -ボートレーサー養成所での指導は厳しかった?

 計盛 まず、学科試験に受かるための勉強が大変でした。ほとんど勉強してこなかったので。まずは中学生、高校生と一緒に学習塾に通いました。ここで勉強して何とか学科試験に合格できました。

 -昨年5月にデビューして、2月のG3オールレディースでは3着を取りました

 計盛 まだまだです。難しいことだらけ。ただ、分からなかったことがほんの少しでも分かれば楽しいと思えます。

 -師匠は?

 計盛 原田佑実さんと田中和也さんの夫婦に教えて頂いています。原田さんは子育てで忙しいのに、自分の練習を見てくださって、アドバイスを頂いています。将来は原田さんのように優勝したいです。

休日は愛するウサギに癒やされっぱなし
休日は愛するウサギに癒やされっぱなし

 -プライベートの過ごし方は?

 計盛 車の運転ですね。母親を乗せて高速道路を走って、その時に流行している音楽を聴いています。愛知県の祖母の家まで車で行ったりします。

 -最後にボートレース魅力とは

 計盛 男女平等に戦えるところですね。身長や性別に関係なく強い人が認められる競技だと思います。競技人生が長いところも魅力に感じています。

※次回は4月9日更新予定

 ◆計盛光(かずもり・ひかる)1994年5月17日、堺市生まれ。小学1年の時からシンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)を始め、13年に世界水泳に出場、ソロで4位。四天王寺高から大阪体育大に進学。大学卒業後、122期として18年5月住之江でデビュー。昨年の獲得賞金は279万251円。157センチ、48キロ。血液型A。