静岡G3「たちあおい賞争奪戦」が、23日に開幕します。競輪界でも屈指の集客力を誇る静岡競輪場。昨年末、初めて開催されたKEIRINグランプリ(GP)当日には2万人超えというファンが詰めかけました。今開催も多くのファンに生の競輪を楽しんでいただきたいと思います。(もちろん、電話投票、場外でも楽しんでください)。

G3「たちあおい賞争奪戦」を開催する静岡競輪場。初日23日は「富士山の日」でもあります(撮影・山本幸史)
G3「たちあおい賞争奪戦」を開催する静岡競輪場。初日23日は「富士山の日」でもあります(撮影・山本幸史)

今回の注目は、なんといっても浅井康太(34=三重)が参戦を決めたこと。今年最初のG1全日本選抜準決勝ではまさかの過失失格。奇襲のカマシ先行で失速していた山中秀将に追突という、完全な過失走行でした。けがは右肋(ろく)軟骨の骨折と診断。それでも浅井が出走を決意した理由を語りました。

「失敗を取り返す」と決意の参戦を決めた浅井康太
「失敗を取り返す」と決意の参戦を決めた浅井康太

「走ることが責任でもありますし、迷惑をかけられない。走るつもりで昨日(21日)の夕方5時まで考えて、動けるという判断をして来ました」と語り「前回の失敗を取り返したい」と雪辱を誓いました。競輪場に入る前にはいわゆる“入り待ち”のファンにも丁寧に対応。あのレースで車券を購入していたファンの怒り、批判もすべて受け入れ、走る以上は勝利で車券で貢献して返すという道を選びました。

落車直後の日刊競輪三賞の表彰式や、JKAの優秀選手表彰式でも話をしましたが、その時は足をひきずり痛々しい姿でした。ただ、この日は痛そうなそぶりはなし。表彰式で上京する際にはロードレーサーを持参し、わずかな時間も体を動かそうとしていた浅井。「(表彰式は)リハビリみたいな感じでした。練習をして痛みもなくなってきたし、競走で元に戻したい。けが明けなので自力でやっておきたい」。初日特選は吉田敏洋に志願の前回りとなります。

曇りのない吉沢純平が主導権を狙う(撮影・松井律)
曇りのない吉沢純平が主導権を狙う(撮影・松井律)

全日本選抜決勝3着だった吉沢純平も元気に参戦。メインレースコラムの「おヤマの大将」で本命視し、単騎逃げの中川誠一郎の番手にはまった時は心の中で「勝った」と思ったのですが…。「中川さんが強かったです。もう、誰かに外から行かれるかと思ったくらい」と吉沢。個人的には同じ長野県生まれでもあり、G1タイトルを取る姿を早く見たいと思う選手。が、初日特選は熱い思いを語った浅井に本命を託しました。

なお、今開催はPDF新聞もあります。静岡競輪を26年担当してきた、松井律記者のコラムは必見ですよ!【山本幸史】