真夏の祭典オールスターが終了しました。2日目には台風の影響で天気も強風も目まぐるしく変わり、3日目以降は猛暑に。選手たちは激闘を演じ、ファンも中で声援を送っていました。

新田祐大の優勝に貢献した菅田壱道。熱い男の今後に注目です(撮影・山本幸史)
新田祐大の優勝に貢献した菅田壱道。熱い男の今後に注目です(撮影・山本幸史)

新田祐大の優勝に大きく貢献したのは、赤板から突っ張り先行した菅田壱道でしょう。新田にとってグランプリ(GP)へのラストチャンス。一方、菅田も10~11月のあっせんが止まるため、これが今年最後のG1出場でした。そんな状況でも「熱い思い」を走りで示しました。

「新田さんが勝ったとわかって、涙が出てきました。少しは恩返しできたかな」。33歳。いつまでもチャンスを待っているわけにはいきません。「チャンスが来たときにモノにできるように。これが生きてくると信じたい」と晴れやかに言い残し、競輪場を後にしました。12月からの大暴れに注目です。

最終日に脇本雄太を差し切った古性優作。準決繰り上がりは生かせなくても収穫のあるシリーズだったと思います(撮影・山本幸史)
最終日に脇本雄太を差し切った古性優作。準決繰り上がりは生かせなくても収穫のあるシリーズだったと思います(撮影・山本幸史)

個人的には、古性優作の最終日の走りが印象的でした。吉田拓矢の先行を脇本が最終ホームすぎにたたき切る厳しい展開。古性はピタリと続き、直線で柴崎淳を振りながら差し切りました。

「脇本さんから何か盗もうと思って、ずっとペダリングとか、骨盤の使い方を見ていました。一番近くで見られるのが番手の位置なので」。あのスピード域で離れることなく追走し、脇本の走りを目に焼き付けていた、というのだから驚きです。「自分がGPに出られなければ1年は見られない」。脇本が五輪出場となれば、戦列復帰はオールスターの可能性大。となれば、古性のG1取りの意欲は一層増すはずです。

熱い男たちの闘いとは逆に、個人的には、メイン予想が全く当たらず反省ばかりのシリーズでした。ある選手には「連敗、僕が止めますよ」と、優しい声もかけてもらいましたが…。

選手の思惑、コメントと予想がきちんと一致できるように、まだまだ勉強します。申し訳ありませんでした。【山本幸史】