松戸G3を優勝した三谷竜生
松戸G3を優勝した三谷竜生

競輪、楽しんでいますか?

松戸G3は三谷竜生が優勝した。単騎でのまくり勝ちはお見事。今年終盤戦の巻き返しに期待したい。

さて、この松戸G3。いろいろなことがあり過ぎて、ここですべてを書き切ることはできない。ポイントだけを。

まず、何と言っても2日間の順延だ。自然災害などならともかく、原因がシステム障害というのはいただけない。しかも、初日(3日)の中止こそ決定が早かったが、4日の中止、そして5日から開催の決定は遅かった。情報も少なく、2日連続中止が決まったあたりから、「このまま打ち切りになるのでは」という空気が広がったことは確か。実際、4日昼すぎには過半数の選手が帰り支度を始めていた。

その夕方に翌日からの開催が発表された時、多くの選手から「切れた気持ちをもう1回立ち上げるのは大変だ」という声が聞かれた。落車で帰郷した選手や補充選手も含め、ここからシリーズを全うした選手たちには拍手を送りたい。

そんな中で、5月31日から実施されている新ルールによる失格者が2人出てしまった。7日には房州輝也が誘導員早期追い抜き(残り2周半前、S級初)、8日決勝では小埜正義が暴走(打鐘前にスパートし、先頭でゴールした選手から5秒以上遅れてゴール。新ルール後初)と判定された。今月末に開かれる制裁審議委員会で数カ月間の欠場など、重い処分が下される可能性が大きい。

だが、両選手とも「悪質だったか?」と問われれば、決してそんなことはない。房州は「2分戦で前を任された以上、絶対に突っ張られるわけにはいかない。(相手の)北津留(翼)さんしか見れなかった」、小埜は「いったん(渡辺)一成君に突っ張られたし、苦しかった。最後までやめてはいない。一生懸命やった結果」と話した。システム障害の影響で補充が足りず、房州のレースは7車立ての2分戦だったことが原因の1つ。小埜も同障害で地元G3の緊張感が前検日を含めて7日間も続いた影響がなかったとはいえまい。

ペナルティーは当然必要だが、情状酌量の余地はあると思うが、どうか。【栗田文人】

松戸競輪の中止を知らせる看板
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