競輪、楽しんでいますか?

25日に終了した立川の日刊スポーツ杯は、S級が渡部幸訓(37=福島)、A級が中川拓也(34=群馬)、ガールズが尾崎睦(35=神奈川)の優勝で幕を閉じた。

S級の渡部は、なんと、この日が37歳の誕生日というからダブルの喜び。しかも、13年3月23日に深谷知広がたたき出したバンクレコードに並ぶ10秒6のおまけつきだから、忘れられない1日になっただろう。今年2月の小倉でS級初優勝を飾ったばかりで、まさに遅咲きの花がここにきて一気に開花した印象だ。

準決3着後に「前を抜けるかと思ったけど…。伸びがいまひとつですね」と首をひねり、「セッティングをもう少し見直してみます」と、遅くまで自転車と格闘したことが最高の結果につながった。今後も北日本の俊敏追い込み選手として、注目していきたい。

バンクレコードタイで優勝した渡部幸訓
バンクレコードタイで優勝した渡部幸訓

A級の中川拓也もうれしいA級1、2班初優勝だった。これまでのイメージは「時折見せるまくり一発が魅力の選手」といったところ。だが今開催の予選1着、準決2着、決勝1着の成績が示す通り、近況は安定感がググッと増してきた。「中止期間に一生懸命やった成果が出ている」と話したが、やはり「練習はうそをつかない」ということか。おめでとう!

そして、ガールズの尾崎は前場所の川崎から中0日という超強行軍での参戦を見事にものにした。前検日から「疲れは感じない。喜んで追加を受けました」と無尽蔵の体力を強調していたが、予1、予2とも、差されたとはいえ打鐘過ぎに仕掛ける先行勝負で、その言葉を証明。決勝はあえて内を空けて加瀬加奈子を先行させ、番手から差すという“うまさ”も見せた。

今年は暮れに地元平塚でガールズGPが行われるだけに、例年以上に気合の入った走りが随所で光っている。すごいぞ、ムツミさん!【栗田文人】

今年5回目の優勝を飾った尾崎睦
今年5回目の優勝を飾った尾崎睦