10月16日、中井大介(51=福岡)は北九州市門司区にある児童養護施設「カリタスの園 天使育児園」を訪れた。施設で生活する子供たちにプレゼントを届けるためだ。

中井大介は4年前から施設に訪問している
中井大介は4年前から施設に訪問している

施設とのつながりは4年ほどになる。「初の1人暮らしをした場所が施設に近かった」ということもありクリスマスにお菓子をプレゼントしたのがきっかけ。2年前からはこの活動に賛同した知人のはり・きゅうの先生や病院の先生の援助も加わり「車いっぱいにお菓子を持っていった」と言う。

感染者が落ち着きをみせているとはいえ、今はコロナ禍。「こういう時期だから子供たちにはおなかいっぱい食べて欲しい」という中井の思いもあり、今回は減農薬の新米120kgを施設に届けた。

届けた新米と記念撮影(右は職員の北川亜佐美さん)
届けた新米と記念撮影(右は職員の北川亜佐美さん)

施設は国や北九州市の補助を受けて運営されている。施設の職員は「60人の定員に対して現在は59人。親からの虐待を受けるなどして、環境上、親と一緒に住めない子供が施設で生活している。中井さんのように地域の方の温かい協力もあって運営は成り立っている」と話す。

中井自身が幼少期に複雑な家庭環境で育ったこともこの活動に至った一因となっている。「現役生活があと残り何年いけるかは分からない。でも、その中で子供たちに何かできれば」と今後も活動を続けていく予定だ。訪問日が土曜日だったこともあり、施設内にはゲームに熱中したりおしゃべりしたりする子供でいっぱいだった。その姿を見た中井は「競輪場に来て迫力あるレースを生で見てもらえたら」と新たなプランも思い描いていた。

レースに参加した選手が被災地や地域の病院に寄付をするなど選手はさまざまな活動を行っている。今はまだ点の活動だが、これが今後は競輪らしい「ライン」の動きになっていけばと思った1日だった。【音無剛】