今年最後のG1競輪祭が終わり、男女とも年末のグランプリ出場メンバーが決定した。その裏で、2つの偉大な記録が途絶えることになってしまった。

ガールズG1競輪祭女子王座戦は、賞金圏外にいた梅川風子が優勝。石井寛子は次点となり、ガールズグランプリ連続出場が「10」でストップした。レースの翌日、小倉駅を歩いていると石井にばったりと出くわした。記者の姿を見つけると笑顔で手を振ってくれ、しばしの立ち話。「残念だったね。何て声をかけていいかと思ってさ…」とたじろいでいると、あっけらかんとした表情で「ううん、大丈夫。だって、もう始まってるから!」。すでに視線の先は、来年のガールズGPへ向いていた。

石井寛子(2023年11月23日撮影)
石井寛子(2023年11月23日撮影)

平原康多もまた、13年から続けてきたグランプリ連続出場が「10」で止まった。2次予選で敗退が決まると「いろいろ、終わりました…」と口にしたが「落ち込むタイプじゃないから、悲観はないし大丈夫。今年は、こういうめぐり合わせ。けがを克服できない1年だったということ。また来年、頑張ればいい」と前を向いた。

平原康多(2023年11月25日撮影)
平原康多(2023年11月25日撮影)

5日目は準決のひとつ前のレースに出場。坂井洋の番手から抜け出して勝利すると、スタンドからは「平原!」「平原!」と、まるで決勝進出を決めたかのような声援が沸き起こった。照れくさそうにしながら、珍しく何度も客席に手を挙げて応えた平原は「これがあるからやめられない」と感慨深げ。ファンの声は選手にもしっかりと届いて、支えになっている。

勝者だけでなく、敗者にもまた、それぞれのドラマがあるのが、人が走る競輪の魅力。年末のグランプリ、そして来年…。どんなレース、ドラマが描かれていくのか、思いをはせながら見つめていきたい。【中嶋聡史】