崖っぷちの明星晴道(41=愛媛)に、一筋の光が差した。

 準決6Rは、奥村諭志の先行に乗ると、ゴール前でこん身の差し足を発揮。実に昨年3月19日武雄一般戦以来、1年3カ月ぶりの白星をマークした。引き揚げてくると、今にも泣きそうな表情で「奥村君に連れていってもらった。踏み合いの展開だったし、前なら打鐘で離れていたと思う。遅いんですけど、本当にここ1~2カ月で調子が上がってきた」と、勝利をかみしめていた。

 悲壮な決意で挑んだ。現時点では代謝の対象のため点数アップが不可避。予選後には「競輪人生が終わってしまう」と口にしていた。「とにかく明日(決勝)。まだ点数は足りなていないと思う。次の広島が勝負だけど、まずは明日」。追い込まれた男が決勝も貪欲に1着を狙う。