現役生活22年の浅野徹(44=千葉)にとって、忘れられないシリーズになるだろう。

今開催で完全優勝に近い成績を収めない限り、今期限りでの代謝が決まる。「あっという間の22年でした。上の子は成人して、下の子も高校3年。下の子が卒業まではやりたかったけど、2月から足にしびれが出てしまって…」。最大の武器であるタテ足が使えなくなっては、巻き返しが難しかった。

チャレンジ予選1Rは、わがままを言って村上皇の番手を主張することもできた。しかし、悪あがきはしたくなかった。「渋谷(錬)君にも気を使ってもらったけど、それだけで十分。3番手からぶち抜けばいいんでしょう」。感傷的になりそうな自分をジョークで隠した。