浅井康太が松阪でまた失格した。VTRをよく見ると、山崎賢人が降りる動作に浅井が続いただけのように見える。そこに山本伸一の上がる動作が加わり接触した。失格は酷な気がするが、審判がそう判断したのだから、次走から気を取り直して挑むしかない。

ヤマコウは、レース内容満点の山崎賢人のビッグ初優勝へ「時は来た ! 」とみた
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決勝は柴崎淳に優勝してほしい気持ちはあるが、位置取りで勝る平原康多、1番車に郡司浩平がいて苦戦が考えられる。そこで浮上するのが山崎だ。1予は宮本隼輔をたたいて先行2着、続く2予は松本貴治をたたいて先行3着。準決はうまく中団確保から主導権を握って決勝進出を決めた。

ここから見えるのは、うまく相手の力を利用して勝負どころで臆することのないスタイルだ。自動番組で、なおかつ誘導ペースが上がる今の競輪で、主導権を取ることは想像以上に難しい。「最後の粘りがもう少しほしい」と言うが、レース内容は満点だ。

決勝は、外枠の平原が初手をどう考えているか。自らの意思で取れるのは前か後ろ。渡辺一成が前受けからレースを進めたいはずなので、後ろ攻めを選択するのではないか。対して柴崎は、後ろから動いて足を使うことは避けたいので、渡辺ラインの後ろになるだろう。平原にとっては絶好の並びとなる。自ら動いて、山崎ラインを出させればいいのだ。どのラインもその後ろが取りたいはず。渡辺のカマシはあるが、山崎の先行1車と言っていい。「時は来た!」。(日刊スポーツ評論家)