岐阜G3はいよいよ決勝を迎えた。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)は浅井康太を目標にする志智俊夫の地元Vとにらんだ。

ヤマコウは志智俊夫の岐阜G3初Vに期待
ヤマコウは志智俊夫の岐阜G3初Vに期待

浅井康太が見事に準決を自力でクリアした。2日間、番手戦で結果が出ず調子が見えなかった分、会心の勝利に1着インタビューで笑顔があふれた。

初日特選は松阪共同通信社杯での失格があった直後で、「しっかり勝ち切らないと」の気持ちを強く感じた。2予は新鋭の山田諒を残したかったが、かなわなかった。ならば、地元の志智俊夫を連れて決勝に、という気持ちは強かったはず。そのプレッシャーから解放された笑顔だった。

決勝はどの選手も緩んだら仕掛ける選手がそろい、油断できないメンバーだ。中でも太田竜馬のトップスピードの高さは浅井を苦しめる。浅井の心情を考えると、多少仕掛けが早くなっても、俊夫が優勝ならいいと考えているのではないか。それが浅井の評価にもなる。太田は強いが先行にこだわりは感じられない。対して小松崎大地は、初日に佐々木雄一との連係で失敗しているだけに、自分の勝利を最優先して挑むだろう。

そこで浮上するのが俊夫だ。大垣G3の優勝はあっても、岐阜G3の優勝はまだない。準決は浅井のまくりによく付いていった。3角で車間が空き、岡田征陽に絡まれながらも2着に食い込んできた。まさしく地元の執念だと思う。

今回は後閑信一クンと解説をやらせてもらっているが、彼も地元(前橋、京王閣)はめっぽう強かった。「自分の庭だ、という気持ちがプラスアルファにつながったと思う」(後閑)と言うように、今回を逃したらチャンスはもうないと不退転の覚悟で決勝に挑んで欲しい。(日刊スポーツ評論家)